ついに13インチのマックブック2020が発売されましたね。
ユーチューブでは軒並み高評価レビューが並び、その注目度がうかがい知れます。
今回は新型マックブックの何がそんなに高評価を生んでいるのか、ユーチューバーが口をそろえてほめている「M1チップ」とは一体何なのか、その辺も含めてわかりやすく解説していきます。

もくじ
新型マックブック高評価の種
M1チップの登場

超ハイスペックなAppleオリジナルのチップであるM1チップセットが、今回発売された最新のマックブックに搭載されています。
M1チップセットとは?

Appleが初めてMacのために開発したチップです。
プロセスルールは最先端の5nmで、160億個ものトランジスタを搭載しています。
プロセスルールとは?

いきなり知らない単語が出てきたぞ、どういうことだ筆者!! と思った方、落ち着いてください。
プロセスルールとは簡単に言うとチップの回路の細かさを表す数値です。
一般的には細ければ細いほど、性能は上がり、電力効率は上昇すると言われています。
ほかの有名なCPUメーカ-のデスクトップ用CPUと比べると、intelは10nm、最近新製品を発表し、インテルの完全上位互換となったAMDは7nmプロセスを、GPU最大手であるNvidiaでは8nmプロセスを採用しています。
つまり今回Appleの5nmプロセスというのは圧倒的時代の最先端ということになります。
ポイント:
- プロセスルールは回路の細かさ
- 数値が低いほど高性能、省電力(低発熱)
- Appleの5nmはライバル3社より細かい
新型マック専用設計という強み

M1チップは正確にはCPUではなく、様々な機能が1つのチップに集約されたSoCというものになります。
簡単に言うとマザーボードがそのままCPUに入ったような感じです。
これはハードウェアからチップまですべてを独自開発しているAppleならではの特性だといえます。
1つのチップにすべての機能が凝縮されたことで各チップが即座にデータ共有することができ、ほかのメーカーには実現が難しいレベルの超高速動作に期待ができます。
(他メーカーのものは複数のメモリプール間でデータの複製を行ったりする)
おすすめ機種
今回の新商品ラインナップの中で自分が最もおすすめするのはAirの256GBモデルです。
おすすめ理由①:M1チップ搭載

M1、M1くどいと思いますが、Airを選んだ理由のうち9割がこれです。
今回発表された13インチマックブックはAirもProも同じM1チップが採用されていて
最も安いモデルでのみGPUコアが1つ減らされているだけとなっています
intelやAMDのCPUを使っているときは電力や熱、価格の問題から、下位のチップが搭載されていましたが
今回は上位モデルと同じM1チップが搭載されているため、軽くて小さなAirをおすすめします。
おすすめ理由②:Proを選ぶ必要性がほぼない
Proを選ぶ理由として挙げられるのが、タッチーバー、良質なスピーカー、CPUのカスタマイズなどでしょうか。
Airにはファンが搭載されていないため、重い処理を長時間続けるつもりならProを選んでください。(長編動画のエンコードや長時間放置の機械学習など)

タッチバー→使いこなしている人が見当たりません、あまり重要ではないでしょう
スピーカー→イヤホン使えばすべて同じです
CPUのカスタマイズ→ノートパソコンのCPUにおいてM1チップより優れたCPUはありません。
以上の理由により、Proを選ぶ理由はほぼないかと思います。
ストレージの上限がProのほうが多いですが、内部ストレージはコスパが最悪です。外付けSSDの使用をおすすめします。
以上がAirを推す主な理由です。
持ち歩くこと前提で話しているためminiについては触れていませんでしたが、固定して別途モニターとつなげて運用するのであればマックminiも有力な候補の一つとなるでしょう。
新型マックブックの懸念点

未発見の脆弱性や相性問題
これは、新製品である以上仕方のない問題なのですが、完全に新しいチップを搭載しているため、予期せぬ相性問題などが今後発生する可能性は否定できません。

すでにChromeとの一部バージョンでの相性問題などが報告されています。
今後、IOSのアップデートやソフト側のアップデートでM1チップへの最適化が進むと思いますが、
開発が終了したソフトや、マイナーなソフトなどではM1チップ上では不具合が発生する可能性も否定できません。
逆にAbobe系など有名なソフトウェアなどはすぐに最適化(すでにベータ版が出ているものもある)されるはずなのでこれを機に大手のソフトウェアに乗り換えるのもありかもしれません。
新型マックブック、どんな人におすすめ?
アプリ開発・エンジニア

IOSアプリの開発ツールであるXcodeでのベンチマーク結果ではM1チップがダントツでハイスコアです。
動作にかかる時間が大幅に軽減されるのでかなりの仕事効率上昇が期待でます。
映像・画像クリエイター

内蔵GPUは今までの内蔵グラフィックスとは比べ物にならない性能です。16インチモデル並みの(というか越え)の編集能力が期待できます。
動画エンコード時間は前モデルの1.8~2倍ほど(最適化されているソフト化によって違う)に進化しています。
4K動画も編集、エンコード問題なくこなせる性能を有しているみたいです。
IT系、AI機械学習系の学生

M1チップには16コアのニューラルエンジンが入っています。これにより機械学習の性能が従来の9倍から15倍くらいになったといわれています。
プログラミング、特に機械学習やAI関連のPCスペックが求められるようなことを研究している学生にはうってつけの性能だといえるでしょう。
Thanderboltポートもあるので、外出先ではマック画面で簡単な作業をして、研究室や自宅では複数のモニターと接続してたくさんのエディターやブラウザを見ながら操作することができます。
そんなに向いていない用途
ゲーム

Windowsのデスクトップを買うなり組むなりしてください。
多くのゲーム会社がAppleのPCでゲームがプレイされることを想定していないのでM1チップに最適化される可能性は低いでしょう。
情報系、芸術系以外の学生

向いていないというわけではないのですが、コスパは悪いと思います。
授業で扱う簡単なプログラムの実行や、動画視聴、ネットサーフィンなどは型落ちモデルで十分にこなすことができます。
バッテリーの持ちがよくなった 程度の恩恵しか受けられない割に、価格は上がっているので微妙です。
ブランドの服やらを買うような感じですね。
自作erな筆者から見た新型マックブックとは(独断と偏見)

自作erとは筆者のようにPCパーツを自分で選んで買い、組み立てて使っているような人間のことです。
デスクトップPCから買い替えを検討しているような方は参考にしてみて下さい。
(ちょっとだけマニアックな内容なので興味ない方は軽く読み飛ばしてください)
熱効率・仕事効率は最強

M1チップは5nmプロセス採用のSoCなのでデスクトップPCのような各所にメモリが散らばっているような構成のPCより、
(スペックが足りていれば)動作がサクサク、発熱も抑えられているので
爆音のファンに苦しめられることなく静かな環境で仕事や作業に集中できます。
ハイエンドというほどのスペックではない

自作erのハイエンドは用途不明レベルのハイエンドなので決してマックブックの性能が低いということではないです。
いくら高性能といってもノートブックPCなので限界はあります。
Nvidiaの5000番台と比べたらGPU性能はかなり低い(GTX1050~1060くらいのスペックかな)
CPU性能もAMD Ryzen 3800と同等かそれ以下くらいで、現行のデスクトップPCと比べると1、2世代下の性能という感じです(ノートでなら普通に最強クラス)
とはいってもそこまでの性能を使い切るような人はかなり限られてきます。
4K動画編集くらいなら耐えられる性能は持っています。
ニューラルエンジンに期待している

(ニューラルエンジンに関してはもう少し情報が出てきたら深く掘り下げるつもりです。)
個人的に期待しているのがニューラルエンジンです。
Adobe製品の中にはAIを用いた処理を用いるものもあったりするのでAI研究者だけが恩恵を受けるというわけではありません。
出先で軽く作業する というときにAI処理もスムーズに行ってくれたらいいなと思っています。
今までAI処理の覇権を握っていたNvidiaのTensorコアにどれほど食いつけるのか楽しみです。
今回の記事はここまで。
最後までありがとうございました。
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